YUI STEPHANIE
ライブペインティング
99
Nov.19(Sat.)−26(Sat.)

1917年、現代美術の父とも言われるマルセル・デュシャンがニューヨーク・アンデパンダン展にて「泉」を発表し、99年が経ちます。
時代が変わっていく節目は、縮み切ったバネが跳ねるように変わると思っています。
跳ねるきっかけとなる出来事がシンクロニシティのように起きて、一斉にガラリと様相が変わる。変わる瞬間、時間が一気に凝縮され、数多の人が前後の文化をいったりきたり回顧し、反芻する。
yui stephanieの描く世界は、様々な物に付いている人々のイメージの贅肉をこそぎ落とし、プリミティブな感情を呼び起こします。その呼び起こされる時が、縮みきったバネが跳ねるような感覚と、その前に持っていた感情の境目を反芻する心地よい浮遊感を生みます。その世界はおそらく原始的であると同時に、進化的なものであると思います。

2016年11月19日、彼女はギャラリーにてライブペインティングを始めます。
彼女が着彩した古建具、100年に一度花をあげる植物の作品の先に、瞬間的でインスタントでもあるその技法をもってつくられる作品を並べます。美術のリアリティーとは何かと惑う時、私たちと彼女を含めた態度を表わす展覧会です。
最後にマルセル・デュシャンの言葉を書き添えます。「私は働くよりも、呼吸をしていたい」。
(尾形良樹)



ユイ・ステファニー / YUI.STEPHANIE

京都造形芸術大学 大学院 芸術表現専攻 卒業。キャンバスへの絵画表現に加え、60mの壁(天王洲)や、25mプール (中之条ビエンナーレ)、駅プラットフォーム(紀の国トレイナート)等、現場に立ち環境と対峙しながら制作を進める巨大なペインティングを多く手がける。五感に訴えるような色彩と線で、人々が感じる根源的な美しさへのアプローチを続けている。 近年の活動 2016.12 (予定)個展「Back of eyelids」/ sio gallery(大阪) 2016 紀の国トレイナート2016 2015 中之条ビエンナーレ2015 2014-2015 60m×3m壁画制作プロジェクト / 天王洲ボンドストリート(東京)

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色彩の重なりと一本の線が生み出す膨大な感性の含みに魅せられている。
描くもの自体に思想は持たない。
受け手に届けたいのは概念ではなく、もっと原始的な感覚だ。
感じるための情報が多すぎる今、それは極めて私的な審美体験となる。
情報や概念の芸術は、もっとプリミティヴなものへと回帰していく。
私は、ただピュアに、美という宇宙の仕組みに触れたい。
(ユイ・ステファニー)


photo:ChizuTakakura